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まっすぐに走る道の突き当りに建つ住まい。
周りの環境の良さを最大限に引き出したプラン Works Case#003 愛知県名古屋市緑区Y様邸

環境の良さを生かしたプランニング

商業施設が並ぶ通りから少し車を走らせたところにある新しい住宅街。北西に池が望め緑も多く気持ちの良い土地。この環境の良さを生かしたプランニングによって、想像以上の心地よさを実現した。

Facade

Facade

まっすぐな道の突き当りが建築地。南が道路で、しかもまっすぐ伸びており視界や日差しを遮ることのない好立地の建築地でした。この条件により、南側に大きな窓を設けることで見晴らしの良い景観が確保できるという土地のポテンシャルを活かした設計が始まりました。1階の引き違い窓はリビングの窓があり、室内からの抜け感を意識した窓の配置になっています。縦長のFIX窓は玄関ホールの窓です。FIX窓は、曇りガラスとなっており視線を遮りながら玄関を明るくする機能を確保しました。

外観ファサードは、濃いめのガルバリウム鋼板を基調として木の外壁をアクセントとしています。木を外壁にあしらうことで柔らかなイメージとすることが、住まい手の希望でした。

Living_1

Living_1

リビングの腰壁の後ろに階段、階段の後ろのグレーの壁の向こうは玄関スペース。玄関からは左右に2WAYとなっており、お客様導線と家族の玄関収納導線になっている。階段を中心とした回遊導線の設計が特徴の住まいとなっています。

玄関ホールに設置された階段ではあるがリビング階段にもなる工夫がされた設計です。階段を中心に回遊導線とすることで、玄関とリビングは緩やかに仕切られ、間仕切りが無くても玄関からの視線が切れるよう設計されました。

グレーの壁が、インテリアのアクセントとしても効いており、デザインと機能性を兼ね備えた設計となりました。

Living_2

Living_2

玄関土間であり、リビング土間でもある不思議なスペース。階段スペースに小さな吹き抜けを合わせることで、2階からの光をたくさん取り入れる設計となっています。リビング側の壁を腰壁とすることで、リビングに光が落ちていく計画とし、リビングの開放性も生む狙いを込めました。

この住まいの設計において最大のポイントが、この階段の位置。玄関としての、リビングとしての、階段としての機能を持つスペースが暮らしの豊かさをつくりだしています。建築家との住まいづくりのメリットが感じられるプロジェクトでもありました。

Stairs & Atrium Space

Stairs & Atrium Space

階段の先には、日差しをたっぷり取り込める大きな窓のあるホールにたどり着く。2階のホールや廊下は、室内干しスペースとしても活躍します。

鉄骨手すりは、室内の開放性や明るさの担保の機能だけでなく、物干し場としての機能も果たし、シーツやバスタオルなど大きなものを干すのに最適な場所ともなっています。

2階も階段ホールを中心として回遊導線をつくり、家事の楽な導線を提案いたしました。共働きの世帯が増える中、家事導線の設計はとても重要なミッションだと考えています。

Washroom

Washroom

洗面スペースも回遊導線の中に配置されています。水回りを全て2階に配置し回遊性を持たせることで、朝の水回りの渋滞を解消し家事の流れをスムーズにします。オープンスペースに配置された洗面台は、いつも明るく開放的な場所となりました。廊下となる場所には収納スペースや洗濯干し場を設置し多機能な空間として活用できるよう提案いたしました。

Japanese Room

Japanese Room

リビングの一角に小上がりの和室を配置しました。日ごろは、子どもを遊び場になったり、旦那様の昼寝スペースになったりしています。

将来的には、お母さまとの同居の可能性も考えられた可変性のある空間ともしています。将来の変化に合わせて多機能なスペースを確保しておくと、いつの時代もストレスのない暮らしができるのではないかと思っています。

施工へのこだわり

WithHomeの住まいづくりは、室内が間仕切りなくつながっていく設計が比較的多いです。今回のプロジェクトも階段吹き抜けを中心として回遊性をつくり、全てのスペースがつながっていく設計となっています。連続性をつくることで家全体の壁がつながっていき、施工のごまかしがきかない仕事となっていきます。洗面台も一つの空間としてつながっていくためデザイン性をおろそかにできない仕上げとなっています。

「ポテンシャルを引き出すプラン」

建築家/中田 啓予
(ナカタヒロヨスタジオ)

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商業施設が並ぶ街並みから少し車を走らせると今回の土地が見えてくる。まっすぐに伸びる道の突き当りに土地があり、南西には池が望める。日当たりも十分にあり、若干の高低差があるものの申し分が無い土地である。 この土地のポテンシャルを最大限に生かすのが中田氏の課題となった。

土地と道路の高低差によって道路側に窓を設けても通行人との目線が交わりにくいことから、南側に大きな窓を配置。おかげで日中は電気をつけなくても明るい室内になった。また、それだけでなく、家の中心に階段を設けそこから光が落ちるように設計。階段回りを回遊できるようにすることで共働きの住まい手の家事動線を効率化。中田氏らしい住まい手を考えたプランとなった。

建築家プロフィール/中田 啓予