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三方位を高い建築物で囲まれた土地。
光を"受ける"プランニングで明るい住まいを実現 Works Case#002 愛知県名古屋市南区A様邸

都市型設計の回答

駅から徒歩2分の利便性の高い立地。
利便性の高い立地は、土地の大きさや環境が建築にとって高いハードルが存在することが多いです。
この土地は、三方位を高い建築物や擁壁に囲まれた敷地条件でした。
2階リビングへ光を落とし込む建築家の技術がデメリットを解決しました。

Facade_1

Facade_1

敷地に向かって左は3階建てのマンション、右はコンクリート造りのオフィスビル、奥は高い擁壁に囲まれた敷地条件でした。このプロジェクトの最大のポイントは、室内に光をどう取り込むか?ということでした。道路側が西の方角となり、道路側から過度に光を取り込むと夏場の西日が入りすぎ、室内の温熱環境を悪化させることとなります。3方位囲まれた条件で、室内に光を取り込む技術が建築家の最大のミッションとなりました。

Facade_2

Facade_2

建物のファサードは、駅から近い土地の為、前面道路を不特定多数の人が行き交う条件を考慮し、玄関前に板張りの壁を配置しプライバシーの確保と外観のアクセントを両立しています。玄関ドアの横には、プライバシーに配慮した地窓を配置し、日中は外の明るさを室内に取り込み、夜は室内の明るさで玄関ポーチを雰囲気良く演出します。

Living_1

Living_1

三方位囲まれた敷地条件で室内に光を落とし込む設計のポイントが階段の位置。建物の中心にスケルトン階段を配置することで、上部からの光を2階のリビングの中心部に取り込み、さらに1階のエントランススペースまで明るさを届けています。

階段を中心として、LDKと書斎の配置をしています。リビングの回遊導線を重視し、各エリアの明るさの担保と生活しやすい導線設計の両立を図った設計となっています。

Living_2

Living_2

階段をLDKに取り込む設計は、明るさだけでなく開放感も生み出しています。ダイニングスペースの奥の大きなサッシは、東側に位置しています。擁壁に囲まれた敷地になっていますが、プライバシーを確保できるという利点を最大限に活かし、カーテンが必要ないリビング空間を設計しました。

Stair

Stair

階段の横に吹き抜けも配置することも重要なポイントとなります。上部から差し込んだ光は、階段スペースと吹き抜けを合わせた空間から落とし込まれ、白い壁に反射しながら1階まで届く設計となっています。上部の階段は屋上のペントハウスへつながり、屋上からの光を取り込む設計となっています。

Skygarden

Skygarden

2階のリビングから更に上に上がるとスカイバルコニー。プライバシーを気にすることなく大きな空を生活に取り込める場所となりました。週末は、友達を呼んでバーベキューを楽しんだり、子どもたちがプールで遊んだりできるスペースとなりました。ペントハウスの扉や窓が室内に光を取り込む機能も果たしており、多機能な屋上設計となりました。

Work Space

Work Space

ご主人にとっての大切な隠れ部屋。足元は掘りごたつの形状とし、長時間滞在でも疲れない設えとしました。日常空間とは異なる空間を演出するため、開口部はアーチ状とし秘密基地のような感覚を感じるような空間となりました。

施工へのこだわり

スカイバルコニーを併設する建物の場合、防水計画と防水工事がとても重要となります。WithHomeでは、屋上の施工に金属防水を採用することで、経年劣化を防ぎ、雨漏りの危険性を最大限回避しています。

「開く空間・閉じる空間」

建築家/三島 史子
(Times & Design Office)

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北西以外を高い建物と擁壁に囲まれ、土地に光が差し込むのはごく一部であった。反して、駅から徒歩2分程度ということもあり、人々が行き交う賑わいのある物件。三島氏は光を取り入れるために開く部分と、人々の視線から閉じる部分をどう組み立てていくかが今回のミッションとなった。

住まい手がプライバシーを気にすることから、目線を気にせず玄関先に立つことができるようにプランニングに。日当たりに関しては南東からの光を上手くプランニングでキャッチし、LDKには十分な光が差し込む。また、棟屋からの光が1階に届くよう階段の位置が計算されており、玄関ドアを開けた時の驚きが非常に魅力的な住まいである。

建築家プロフィール/三島 史子